接遇マナーコラム

接遇マナーコラム

お客様にもっと喜んでいただける接遇を目指すなら、一流、素晴らしいと信頼されているところに出掛けることをお勧めします。

「百聞は一見にしかず」のことわざ通り、一瞬にして分かります。一流を五感で感じるのです。

このコラムは理解を深めるためにご活用ください。
学生に参考書が必要なように、大人には参考体験が必要です。このページは、読む参考体験です。

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接遇とは

相手の年齢、職業、地位によって差をつけることなく敬意を表し、「私を大切にしてくれるこの人と出会えてよかった」と感じてもらえる接し方のことと私は解釈しています。

つまり接遇とは、初対面の人とも心が通い合う間柄になれる、たくさんの人をしあわせにする方法のことです。

上皇后は、皇室に入った当時、国賓をもてなす「接遇」の心得を上皇から教わったそうです。

それは、大きな国、世界的に注目されている国、小さな国、あまり名が知られていない国、どの国の方も同じく歓迎することだったそうです。

「当然のことのようですが、実際にはその時々の日本とその国との関係、人々の関心のもち方の違いから、歓迎の人の多さや報道のされ方などにどうしても差が出るので、皇室がこの原則に立ち戻ることがどんなに大切かを毎回心に留めお一人ずつ国賓をお迎えしています」と過去に述べていらっしゃいます。

私たちはそのお姿をテレビなどで拝見し、人と接する際の心構えを感得しているのではないでしょうか。
感得とは、感じて会得するという意味です。

大谷翔平選手は、審判など目上の人にだけでなく、裏方のスタッフ、バットボーイに対しても親しく接し、礼儀正しいとアメリカでも日本でも尊敬されています。彼の振る舞いは、日本人本来のあり方を体現していて、誰もがお手本にしたいと、それこそ感得しています。

ウォルト・ディズニーは、ディズニーランドを開園した当初から「何百マイルも離れた所から来てくださるお客様に対して、私は責任を感じる。すべてのお客様がここから帰る時、来てよかったと思ってもらいたい」、「大人も子供も、男性も女性も、老若男女の区別なく誰にも等しく楽しんでもらいたい」と願っていました。

時代が変わっても、国が違っても、どんな地位にあろうと、相手を敬い、それを表現する接遇が大切だということが分かります。

おもてなしとは

「おもてなし」とは、相手のことを気遣い、相手の状況を察し、相手が望むであろうことを自ら喜んでして差し上げる、私たち日本人が先人から受け継いできた精神です。

本来の意味は、商業的にお客様にサービスすることではありません。

周囲の人々に気持ち良く過ごしてもらうには、自分がどう行動するといいだろう? という視点をもつことで「おもてなし」の力は身につきます。

職場では、上司である立場の人がスタッフに真心を尽くすことで、スタッフは「おもてなし」を体験します。そして、自然にお客様に同じように接するようになります。

これを「感得する」、感じて会得(えとく)するといいます。理屈ではなく、感性で本質を知るのです。

マナーとは

マナー、礼儀作法は、日常接するすべての人に対するものです。家族、友人、ご近所、職場の人々、そしてお客様。

相手がお客様ならば気を使うけれど、家庭や職場、その他のシーンで相手を思いやるという意識が薄くなっていないでしょうか。

また「堅苦しい」「相手との間に壁をつくる」と、敬語や礼儀を軽視する人も見受けられます。

これらは、自分では「親しみやすい」つもりでも、相手からはなれなれしいと不快に感じられます。

マナー、礼儀作法を身につけ、そのうえで状況によって省略したり、変えたりできる力をつけましょう。

私たち日本人は元々「人を蔑んだり、悪く言うのは、人間として徳のない、もっとも恥ずべきこと」と肝に銘じ、

「他人に敬意を示す」「思いやり」を大切にしてきました。

人生とはサービス(貢献)である

上記は、ホテル王スタットラーの言葉です。サービスのプロをアスリートに例えれば、フィギャースケーターです。フィギャースケーターはその華やかさで人を魅了する一方、タフな精神と肉体の持ち主です。サービスのプロも同様に、どんな状況であってもさわやかな接遇でお客様の気分を一新します。

ここでいうサービスとは、貢献という意味です。あなたの力で誰かを助ける、楽にする、楽しんでもらう、心や身体を治療する、介護する、専門家の知識で解決する、いい商品を提供する、どんな職業であっても人に社会に役立っているのです。

あなたがしていることは、誰かに貢献しています。あなたの貢献が誰かを救うこともあれば、誰かの一生に変化を起こす貢献にもなります。

ささやかな貢献の積み重ねが、いつしか偉大なる貢献となり、その偉大なる貢献は、時と場所を越えて多くの人々に広がっていきます。

超一流は名前を覚える

私が初めて大阪のリッツカールトンに宿泊した際の体験です。ちなみに意外にもお手頃価格の宿泊プランが存在します。

チェックイン時に受け取った朝食券に私の氏名が記載されていました。

普通、朝食券にはレストラン名と朝食の時間帯が書かれているだけで、名前がわざわざ印刷されていることはありません。

翌朝、レストランの入口で出迎えてくれたグリーターの女性に朝食券を渡すと、私の名を呼んで挨拶し、席へ案内してくれました。

その日は満室だったのか大変なにぎわいの中、楽しい気分で食事をしました。

私がレストランを出ようとしたその瞬間、後ろから「湯佐さま、本日は混み合っておりまして・・・」とグリーターが私の名前を呼ぶではありませんか。

30分も前に入店した私の名前を憶えていることに驚きました。

30分の間、どれだけ多くの人が出入りしていたことか。

なるほど、このために朝食券に氏名を記載しているのか。

大勢のお客様をさばくのではなく、ひとりひとりのお客様を正にVIPとしておもてなしする超一流の接遇マナーを体験しました。

身近な一流に気づこう

素晴らしい接遇マナーのお手本は、高級ホテルや有名店だけで体験できるものではありません。

あなたのすぐ身近にも存在しませんか?

私の住む地域にあるクリーニング屋さんの一流ぶりは、40年以上も前から変わりません。

店主夫妻は、年に一、二度利用するお客様であっても、顔を見ただけで、伝票に名前を漢字で記入します。

そう、メンバーズカードなどなく、レジに顧客データが保存されているのではなく、ふたりの頭の中に保存されているのです。

これはご主人の親御さんから伝承されています。

奥様はいつも機嫌が良く、あたたかい雰囲気で、まるで一流旅館の女将のように洗練された振舞いと話し方です。

汚れた衣類を受け取る時でさえ、手の扱いが美しいのです。

ご主人は、仕上げた品を近隣に配達もします。街中で出会ってもこちらに気がついてさわやかに挨拶をしてくださいます。

気持ちがとても明るくなります。

このクリーニング屋さんは、有名チェーン店が台頭する現在でも繁盛し続けています。

いい席は先着順、清潔感あふれる化粧室

友人から“おいしいしサービスもいい”と聞いたインドカレー屋さんでの体験です。

日曜日の昼、オープンと同時にふたりで入店。

店員さんから「どうぞお好きな席へ」と言われ、2名用のテーブルに着いたところ、

「どうぞ広い席へ」と言うので、

「いえ、これから大勢お客さんが来るでしょうから私たちはここで」と広い席は遠慮しました。

そこは化粧室の近くなので人が通るでしょうし、確かに中央の広い席の方がいいわけですが、日曜昼のかきいれ時にそれではお店の側に立てば迷惑。

運ばれてきたカレーセットには、なぜか一品多いカレーが載っていて、デザートまでついてきました。

「これは?」と店員さんの顔を見ると、「お礼です」と・・・。なんという心遣い。

最後に化粧室に入って驚きました。広く清潔感あふれるスペース。青山の有名レストランと同じ高級なTOTOトイレ。

レジでそのことを伝えると「“日本人はきれいなお手洗いが好き”と教わりました」と。

店員さんは全員外国人でした。

日本人に勝る接遇マナー。

たったひとりのお客様に

ある巨大なホテルで働いていた昔の話です。

私の担当は、最上階エグゼクティブフロアーのラウンジでした。チェックインの手続き、お茶のサービスなどお客様がゆったりと過ごせる場所です。

一階のロビーは常に大勢のお客様で溢れていて、フロントは大忙しでしたが、最上階はめったにお客様がいらっしゃいません。

「ここは静かでいいですね」と届け物をしに来たスタッフがうらやましがるのですが、ずっとそこにいる人間としては、忙しい方がうらやましいのです。

そんな時、ベテラン社員の女性がこんな言葉をかけてくれました。

私たちの仕事は、たったひとりのお客様でもこのフロアーを好んで来てくださる方を心からもてなすことなのよ。

それを聞いて、自分が何のためにここに居るのか、何のために働いているのかが明確になり、心がすっきり晴れました。

何年か後、私はディズニーブランドホテルで連日大勢のお客様をお出迎えするようになりました。

一日に何千人というお客様と接する状況でしたが、心はあの最上階での当時と同じようにおひとりおひとり、たったひとりのお客様と思い挨拶することを心がけていました。

穏やかな心で機嫌良く

季節が夏に向かい、日の出の時間が早くなりました。

私には、超早寝・超早起きがどうも体質に合っているようで、朝4時には起床し、5時過ぎに自転車に乗って、運動公園にウォーキングとラジオ体操に出掛けます。

途中のコンビニでおにぎりと飲み物を買います。

朝5時過ぎに働いている店員さんといえば、夜通し働くシフトかと思います。

そのお店の女性店員さんは、夜勤明けとはまったく感じさせない、いつもさわやかで明るい表情でレジの手続きをしてくれます。

こちらも一日のスタートに弾みがつきます。

*さりげなく聞いたところ、やはり前夜10時から翌朝6時までの勤務だそうです。

ヘアスタイルもメイクもきちんとしていて、好印象です。

私から頼まなくともおにぎりを食べるには必要だろうと気をきかせて袋にお手拭きを入れてくれ、手渡す際は私が持ちやすいように差し出してくれます。

たった300円程の買い物ですが、1万円位の付加価値を提供してくれていると私は毎回感心します。

接遇マナーでもっとも大切なことは、機嫌良く、穏やかな心でお客様に接することと改めて実感します。

自宅から運動公園への経路には、他にもコンビニが2件ありますが、やはりこのコンビニをリピートします。

まねをしなくていい電話応答の第一声

接遇マナーの所作とは、いったい誰が決めたのだろう? と、疑問に感じることはありませんか?

どんな分野にも基本があるように、接遇マナーにも無駄を省き洗練された型があります。

しかし、近頃みながやっているけれど、過剰、やらなくともいいことがあります。

ひとつ挙げると、電話応答の第一声です。

「お電話ありがとうございます」と応答していませんか?

よそがやっているからといって、まねをする必要はありません。

不要な言葉です。言うのであれば、最後に「お問い合わせありがとうございました」「ご予約ありがとうございました」のように伝えます。

「お電話ありがとうございます」に続けて、正式名称(例:株式会社○○○○)、部署名、自分の名前まで名のるところがありますが、

まずは「はい、○○○(会社名または店名)です」と簡潔に応答する方がお客様にとっては親切です。

なぜなら自分がかけようとしているところに間違いなくかかったか、すぐに分かるからです。

電話応対につきましては、接遇&ビジネスマナーの基礎にて詳しくお伝えしております。

相手が受けとりやすい名刺交換のしかた

いつの頃からか過剰に演出された名刺交換のしかたを多くの人が行っています。

「相手が受けとりやすい」「お互いがスムーズに交換できる」本来の作法をご紹介します。

この方法を知ると「これならスッキリ交換できます。今までいつもやりにくいと感じていたんです」とみなさん晴れやかな表情になります。

イラストでご覧になれます→名刺交換の作法

なんのために型を学ぶのか

接遇マナー研修では、上記の名刺交換のしかたのように型を学びます。

立ち姿勢、座り姿勢、挨拶のときにするお辞儀のしかたは基本中の基本で、ホテルで働くプロは、歩き方、お客様の話を聞く姿勢、言葉遣い、他にもさまざまな型を身につけます。

しばらくの間は基本の型を常に意識し、自分の身体に覚えさせます。

するといつしか身体能力化され、意識しなくともできるようになります。
これが習慣になるということです。

その段階までくると、心はもう自由です。

そう、型は、自分が自由になるために覚えるのです。

あとは相手と状況に応じて、省く、変える、自分なりの接遇ができます。

お客様は神様ではない

「お客様は神様です」は、国民的大スターであった三波春夫という
歌手が次のような信念を表した言葉です。

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私が舞台に立つとき、敬虔な心で 神に手を合わせたときと同様に、

心を昇華しなければ真実の藝はできない と私は思っている。
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三波春夫オフィシャルサイトより引用

“雑念を払って澄みきった心で歌う”という心構えを語っています。

それをレッツゴー3匹という昭和のお笑い芸人がギャグにしただけなのに

まるで先人の教えのように「お客様は神様だから、お客様の言うことには従わなくてはいけない」と思い込んで苦しんでいる人々が多い現代、真の意味を認識し、広める必要があります。

働く人とお客様は、立場は違えど同じ人間であり、対等な関係です。

お客様に過剰にこびへつらう必要はありません。

お客様の立場になった時、働いてる人に対して上から目線でものを言ったり、横柄な態度になっては、人間として恥ずかしいことです。
 

出会いの瞬間を大切に

飲食店の入口でよく気づくことがあります。

それはお客様を歓迎し、挨拶することを忘れている人が多いことです。

何名様ですか? ご予約のお客様ですか? ホテルのレストランでは、ご宿泊のお客様ですか?
などと質問することから接客が始まってしまっています。

出会いの瞬間が大切です。

お客様の目を見て、明るくさわやかに、来店に感謝し、歓迎し、挨拶の言葉を述べます。

するとお客様は一瞬で気分が良くなり、その後が素晴らしい時間になるであろう期待感でいっぱいになります。

「おはようございます」「ようこそお越しくださいました」「ご来店ありがとうございます」
どのような言葉を述べるかはあなたのセンスで!

プロとしての教育を伝承する

「時代とともに人の価値観が変わってしまった。教育が難しい」
という声をよく聞きます。

本当に価値観が変わったのか?
セミナーで出会う方々とよく話をしてみると・・・

知らなかった、思い込みだった、誤解していた、
・・・ということがあります。

【役割にふさわしい外見管理は、自分にも好影響】

セミナーでは、「プロが高め続ける8つの力」を紹介しています。

第一番目は、外見管理、つまり身だしなみについてです。

なんのために、どのように身だしなみを整えるのか、
具体的に説明すると、「守ろう」という気になります。

企業の身だしなみ基準は、
私たちの役割は何か、対象としているお客様の年齢層や
価値観に合わせて決めるものです。

ホテルのスタッフや、客室乗務員をイメージしてみてください。

ディズニーリゾートのキャストを思い出してみてもいいでしょう。

関根さん

小さな子供から高齢のお客様まで

どなたにも違和感、不快感を与えることなく、
安心、信頼できる外見です。

そのために身だしなみ基準があります。

制服の着こなし、髪の色・スタイル、
時計などの装飾品、靴、めがね、
ポケットにしのばせている筆記用具に至るまで

細部に気をつかっています。

身だしなみは、企業/店のブランドイメージを高めます。

ホテルフロント

介護施設や病院では、別の意味で気をつかう必要があります。

身だしなみは、介護や医療に関係ないと考えているでしょうか?

いいえ、スタッフの身だしなみは、
利用者、入院患者にとって環境の一部です。

忍耐強い高齢者や入院患者は、口にこそ出さないものの

スタッフがひとりよがりのおしゃれをしていると

それを見るたびに嫌な気持ちになります。

身だしなみが整った人を見ると、誰もが気分良くなります。

ナース

ある介護施設スタッフのベテランの女性は、
ヘアカラーが流行する30年も前から金髪でした。

それが彼女のトレードマークだったのです。

しかし私の話を聞いて、黒髪にしました。

家族さえも驚き、職場中で、利用者さんの間で
ビッグニュースになったそうです。

身だしなみを整える意義、
なんのためにそれをするのか、はじめて知ったのだそうです。

身だしなみは、お客様のためだけではありません。

自分自身の意欲を引き出します。

あなたもヘアスタイルや服装がいつもよりキマった自分を鏡で見て、
テンションが上がり、やる気が湧いた経験があるでしょう。

プロはそれを繰り返すことで

意欲的になり、洗練されていきます。

介護男性

安心して働ける職場環境にする

せっかく人を採用しても辞めてしまい、いつも人手不足。

どの業界にも共通の悩みです。

リーダー、管理職、経営者の振る舞いを見直すことが

根本的な解決に結びつきます。

職場のストレスの9割は、人間関係。

人が辞める理由です。

リーダー、管理職、経営者は、どうするといいのか

PDFでダウンロードし、印刷できます。
     ↓
自分にストップをかけよう 相手の元気、活気、意欲がなくなってしまう言動、

人を成長させる導き方


   ↑
こちらに記載している「誰もが分かる教え方をする」について、

企業研修「人を成長させる教え方」でお伝えすると、

「そうやって教えればいいのか!」と、みなさん肩の力が抜けます。

自己流の教え方をしていて、スタッフにとっては分かりにくく

自分が思うように動いてくれないので

リーダー、管理職、経営者の言動が好ましくないものになっていた。

そう気づきます。

Civility(シビリティ)社内の礼節アップの絶大なる効果

日本のみならずアメリカでも問題になっている「職場の無礼な行為」がもたらす損害、被害について

研究20年の集大成が一冊の本になっていることをご存じでしょうか?

Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こと最強の生存戦略である クリスティーン・ポラス 著

未読の方、特に管理職、経営者の方にお勧めします。

道徳的に「礼節は必要」という視点ではなく、科学的に理解できるます。

エビデンスがなければ信用されないアメリカならではの書き方です。

損害、被害についてのデータだけでなく、改善のための手法も数多く提案しています。

少しでも実践すれば、あなたの会社が劇的に良くなるでしょう。

こちらは、1枚目が本の内容の一部を記載したもの、

2枚目は実在する企業の成功例です。

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会社にもたらす損害、 社内の礼節アップの効果

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